ほんとうの親日国ってどこ?

世界にはさまざまな国があり、国連加盟国は195カ国にも上り(2019年01月現在)、そのなかには数多くの「親日」国が存在します。

世界の中でも代表的な親日国として、ベトナム、フィリピン、タイ、マレーシア、台湾の5カ国を挙げていきます。

ではなぜこれらの国は親日的なのでしょうか。

世界の親日国・トップ5と日本の関係

事実、日本が最大の援助国であるベトナムやフィリピンにおいても親日感情はとても高く、とくにベトナムでは、2015年に米調査機関が実施した対日好感度の比較でも「とても好き」と答えた人の割合が50%という非常に高い結果がでており、「どちらかといえば好き」は32%で、合計すると82%にまで及びます。なお、フィリピンの「とても好き」は28%・「どちらかといえば好き」は53%で、合計すると81%になり、フィリピンも同じく親日国というのは容易に見てとれます。

他方、タイにおける対日信頼度は、2016年の外務省の世論調査結果、「信頼できる」42%、「どちらかといえば信頼できる」42%、「どちらでもない」14%、「どちらかといえば信頼できない」1%、「わからない」1%となっており、タイに関しても対日信頼度が高いことが分かります。他にもタイと日本には、東南アジアで欧米の植民地にならず独立を保ったことや、王室・皇室を戴いているなどいくつかの共通点が存在することも、親日感情を高める要因であると考えられるでしょう。

マレーシアの対日信頼度も、2016年の外務省の世論調査結果を参照すると「信頼できる」37%、「どちらかといえば信頼できる」47%、「どちらでもない」13%、「どちらかといえば信頼できない」1%、「わからない」2%となっており、タイと同じく対日信頼度が高いことが分かります。また、その背景には、マレーシアを22年に渡り率いてきた親日家のマハティール元首相による、日本や韓国に学び経済開発を進めようとする「ルック・イースト」政策等の影響も大きいとも考えられています。

そして、台湾の親日度の高さも広く知られています。調査の方法により多少結果は異なりますが、一つの例として2016年に日本台湾交流協会がおこなった「台湾が世界でいちばん好きな国」の一国選択の世論調査では、2位の「中国」6%に対し、1位だった「日本」は56%というダントツの結果がでています。その裏付けとして同国の人口は2300万人ほどですが、そのうちの400万人(およそ6人に1人)が年に一度は日本を訪れているということになります。

なぜ台湾はそれほどまで日本に対し愛国心を抱くのでしょうか?
台湾は1895年から1945年までの50年間、日本の統治下にありました。その際、台湾総督府民政局長を務めた後藤新平を中心に公道整備・鉄道敷設、下水道整備・伝染病対策、砂糖・樟脳・煙草等の増産といった政策や、土木技術者の八田与一によるダム建設や嘉南平原の穀倉地帯化といった功績により、近代化が進められました。その頃から徐々に親日感情は高まっていき、今からおよそ9年前 2011年3月11に起きた東日本大震災の際には、台湾からお見舞いのメッセージとともに200億円を超える巨額の義援金や救援金、レスキュー隊や支援物資をいち早く大量に届けてくれた過去があります。

上記に取り上げた国以外にも、多くの親日国が存在します。

その中の一国に、ソ連崩壊により1991年に独立したウズベキスタンがあります。ウズベキスタンでは日本人を見かけることは滅多にないそうですが親日的な国といわれており、たまに日本人がいると記念撮影を求められる事もあるようです。ウズベキスタンが親日国になった背景には、アジア・太平洋戦争終結後に抑留された457人の日本人捕虜と、彼らが首都タシケントに建設したオペラハウス「ナボイ劇場」の存在があります。

強制労働なうえ粗末な食事しか与えられず、休みもほとんどなかった現場でも、彼らは日本兵収容所の隊長をつとめた永田行夫を中心に“和”の精神をもって働き、一切の手抜きをすることなく、ウズベク人とも協力して、ソ連四大劇場と讃えられた中央アジア最大のオペラハウスを完成させました。

その真価は、建設から20年たった1966年、タシケントを見舞った震度8の大地震の際にも発揮されました。街はほぼ全壊したにも関わらずナボイ劇場だけは無傷でした。集まった人々は皆、息を呑むほどに驚き、避難場所としても利用されました。また、無傷のナボイ劇場は瞬く間にウズベキスタン国内や隣接するキルギス、カザフスタン、トルクメニスタン、タジキスタンなど中央アジア各国にも伝わり、ナボイ劇場はシルクロードの日本人伝説となりました。

数カ国ではありますが馴染み深い国から少し縁遠く思える国まで、さまざまな親日国をみてきました。その背景には先人たちの努力と功績と交流がありました。そして我々も先人がしてきたように、これまでの日本を大切に守り、そしてこれからの日本を新たに育みながら未来につなげていくことで、新たに親日国といわれる国が誕生する事にも大きく貢献する事でしょう。

昔は、お隣さんの塩が切れて困っていたら塩をあげたり、お裾分けがあったり、周りを助け合う古き良き時代が日本にもありましたが今ではあまり見られなくなってしまいました。
今後の日本は外国人の雇用がないと経営できない職種が着実に増えていきます。日本で働いてくれる外国人が増え、助け合う環境に自然となっていけばあの時代の日本をもう一度見ることができるかもしれませんね。